この記事は、tflplanner を使い始めるための前提となる暫定版の案内です。 将来、英語化するか、パッケージのドキュメントへ統合して削除する可能性があります。 tflplanner 自体も開発中(experimental)で、画面や関数は変わることがあります。
tflplanner とは
tflplanner は、臨床試験の TFL(Tables, Listings, Figures)を rtfreporter で作るための、 試験単位の管理ツール(Shiny アプリ)です。 1 試験を 1 フォルダとして扱い、入力データ・定義・プログラム・成果物・実行記録をまとめて管理します。
全体の流れは次のとおりです。
帳票の一覧 : 画面で追加(または会社の TOC を取り込む) ⇒ 帳票ごとの定義
ARD : Web GUI(ARD 定義) ⇒ (Excel:任意) ⇒ ARD 作成プログラム ⇒ 試験 ARD
(他で作った ARD を取り込んで使うこともできる)
表 : 試験 ARD から output_id で取得 ⇒ normalize ⇒ 加工 ⇒ 表の定義 ⇒ RTF
Listing / 図 : SDTM / ADaM ⇒ 帳票プログラム ⇒ RTF
自分の R : データ・内容の手順を R プログラムに ⇒ そのコードが手順を作る ⇒ 体裁は帳票の設定から ⇒ RTF
正式実行 : autoexec_*.R ⇒ runs/<日時>_<内容>/(ログ・結果・コード)
- ARD 作成と帳票作成は分かれています。 担当者が違っても、また ARD がすべてそろう前でも、 すでに入っている帳票から表を作り始められます。
-
Excel は必須ではありません。
定義はアプリが保持し、Excel は書き出し・読み込み (Excel
で一括編集したいとき、定義をファイルとして残したいとき)のためだけにあります。
表・レポートの定義ブック(
table_spec.xlsx/report_spec.xlsx)は、保存のたびに 試験フォルダへ書き出されます(定義は帳票プログラムの中にも書き出されるので、 プログラムは実行時にブックを読みません)。 - 帳票の型は 3 つです。 Table(表)、Listing(一覧)、Figure(図)。どの型も手順は データ → 内容 → ページと出力で、データと内容の手順はそれぞれ、画面(GUI)か自分の R プログラムかを選べます(11 章)。
設計の考え方
- 生成されるコードは、人が読んで仕上げるためのものです。 短く素直で保守しやすい、 統計プログラマーが手で書くのに近いコードを目指しています。よくある使い方は、解析の大部分を アプリで組み立て、生成されたプログラムをコピーし、ツールの外で手を加えて仕上げる、という流れです。
- よく使う解析と表の形を、少ない操作で。 コードを簡潔に保つため、考えられるすべての形に 対応するよりも、よく使う解析と表のレイアウトを簡単な操作で設定できることを優先しています。
- 画面で表せないことは R コードで書きます。 条件・派生列・引数・ARD の後処理などの部分的なコードや、 手順をまるごと書く R プログラム(11 章)は、定義(SPEC)の中に R コードとして保存されます。 生成されるプログラムは、そのコードを決まった位置に入れます(11.1 節)。
- 全帳票に共通するものは 1 回だけ定義します。 ヘッダー・フッター・ページの体裁や、 会社名・解析の種類・治験実施計画書番号などの試験情報は一か所で定義して使い回し、 帳票ごとのプログラムにはその帳票固有の値だけが入ります。
- 流れは「画面 ⇒ 定義 ⇒ コード」です。 画面が定義を書き(定義を外で直すときは「書き出す → 写しを直す → 取り込む」です)、 コードは定義から生成されます。生成されたコードそのものをツールの中で編集することはしません。
1. インストール
R 4.1 以上が必要です。最初の 1 回だけ、R のコンソールで入れます(rtfreporter と tflspec も一緒に入ります)。
install.packages("remotes")
remotes::install_github("ichirio/tflplanner")GitHub に出られない環境では、受け取ったパッケージのファイルをこの順で入れます。
install.packages(c("rtfreporter_0.8.2.tar.gz", "tflspec_0.0.24.tar.gz",
"tflplanner_0.0.2.tar.gz"), repos = NULL, type = "source")1.1 セットアップ(対話形式)
tflplanner::setup_tflplanner()引数なしで呼ぶと、コンソールで行う 3 つのことを順に聞きます。どれも、確認してから行います。
- ホーム(tflplanner が試験の保存状態を置く場所)と、新しい試験フォルダを作る場所、画面の言語
- tflplanner のプログラムが使うパッケージ(cards、cardx、dplyr、logrx、haven など)のうち、まだ入っていないもの
- ダブルクリックで起動するショートカット(
add_shortcut())
これ以外の設定(試験フォルダの場所、言語、カンパニー標準、サンプル試験)は、アプリの設定画面で変えられます。
1.2 ショートカット
add_shortcut() が作るもの:
| OS | 場所 | 中身 |
|---|---|---|
| Windows | デスクトップとスタートメニュー | 「tflplanner」 |
| macOS | ~/Applications |
tflplanner.app |
| Linux | ~/.local/share/applications |
tflplanner.desktop |
「更新して起動」のショートカットは、頼んだときだけ作ります:
add_shortcut(update = TRUE)(Windows
は「tflplanner(更新して起動)」、macOS は
tflplanner (update).app、Linux
は右クリックの「更新して起動」)。
- ショートカットは起動のたびに R を探します(Windows は R のインストーラーが書くレジストリから)。R を更新してもそのまま使えます。黒いコンソールの画面は出ません。
- 同じポート(既定 7470、
setup_tflplanner(port = )で変更)で起動済みなら、そのアプリを開きます。ブラウザを閉じると、数秒後にアプリも止まります。 - タスクバーへのピン留めはプログラムからはできない決まりです。スタートメニューの tflplanner を右クリックして「タスクバーにピン留めする」を選んでください。
- 削除は
remove_shortcut()です。
1.3 更新
tflplanner は、自分自身もほかのパッケージも勝手に更新しません。更新は自分で行います。起動時に新しい版があるかを確かめて画面の上に知らせる機能は、既定でオフです(設定画面でオンにできます。知らせるだけで、何もインストールしません)。
更新は、アプリを閉じてから R
で次を実行するか、ショートカット「tflplanner(更新して起動)」(add_shortcut(update = TRUE)
で作ったとき)で起動します。rtfreporter → tflspec → tflplanner
の順に、別の R プロセスで更新します。
tflplanner::update_tflplanner() # リリース版(CRAN にあれば CRAN、なければ GitHub のリリース)
tflplanner::update_tflplanner("dev") # 開発版(GitHub の main)
tflplanner::update_tflplanner(from = "D:/packages") # 手元のパッケージファイルから選んだ版(リリース版/開発版)は記録され、「更新して起動」も同じ版を使います。tflplanner_packages()
で、入っている版と最新の版を一覧できます。
2. 環境設定
1.1 のセットアップを使わずに、コードで設定することもできます(スクリプトで環境を作るとき)。
2.1 ホームと試験フォルダの置き場所
tflplanner は、試験フォルダとは別に「ホーム」を持ちます。
ホームには、各試験の最新の保存状態(state.json)と保存履歴が置かれ、これがマスターです。
library(tflplanner)
setup_tflplanner(
home = "C:/tflplanner_home", # ホーム(試験フォルダは C:/tflplanner_home/studies)
language = "ja", # 画面の言語(既定は "en")
sample = TRUE # サンプル試験 SAMPLE-01 を追加する
)
tflplanner_home() # ホームの場所
studies_root() # 新しい試験フォルダを作る場所これ 1
回で、ホーム・試験フォルダの置き場所・サンプル試験がそろいます。
試験フォルダをホームとは別の場所に置くときは、studies_root = "C:/studies"
を足します。
ホームの既定の場所は
tools::R_user_dir("tflplanner", "data") です。
別の場所にしたい場合は
setup_tflplanner(home = "D:/tflplanner") とするか、
オプション tflplanner.home を使います。
ホームと試験フォルダの置き方は、次の 2 つのどちらかです。
- ホームの中に試験フォルダ:
<ホーム>/studies/<試験>(studies_rootを指定しないときの既定)
- ホームの中に試験フォルダ:
- 別々の場所:例
C:/tflplanner_homeとC:/studies
- 別々の場所:例
ホームを試験フォルダの置き場所(studies_root)や試験フォルダの中に置くことはできません。
試験を片付けるときに、ホームまで消してしまうおそれがあるためです。
そのような設定は setup_tflplanner()
もアプリの設定も受け付けません。
以前の版でそう置いていた場合は、アプリの試験タブに注意が出ます。
tflplanner
を閉じてホームのフォルダを移し、setup_tflplanner(home = "<新しい場所>")
を実行してください。
各試験の保存状態は <ホーム>/state/<試験 ID>/
にあります(0.0.2.9200 より前は
<ホーム>/studies/<試験 ID>/。最初に使うときに自動で移します。移すだけで、消しません)。
試験の一覧から外す([登録解除]、unregister_study())、もう一度載せる([既存フォルダを登録]、register_study())、フォルダを開く、はアプリと
R
のどちらでもできます。登録解除しても試験フォルダは消えません。ホームに置いていた保存状態・履歴・保存前の変更は試験フォルダの
.tflplanner/ に移り、再登録で元どおりに戻ります。tflplanner
は試験フォルダを削除しません。消したいときは、エクスプローラーなどで自分で消してください(ごみ箱に入ります)。
2.2 カンパニー標準の準備
アプリが提示する選択肢や、自動で埋める既定値は、すべて カンパニー標準(Excel ブック 1 冊) から読みます。 会社ごとの標準を作り、環境構築時に 1 度取り込みます。
# 1. 組み込みのドラフトを書き出す
standards_template("company_standards.xlsx")
# 2. Excel で編集する(下の表を参照)
# 3. 取り込む(ホームの standards/ にコピーされる)
setup_tflplanner(standards = "company_standards.xlsx")
# 組み込みのドラフトに戻す
setup_tflplanner(standards = "builtin")アプリの試験タブにある「設定」からも、ダウンロード・取り込み・ドラフトへの戻しができます。 ブックに含めなかったシートは、組み込みのドラフトのものが使われます。
| シート | 内容 |
|---|---|
settings |
言語、新規試験の丸め方、被験者キー(USUBJID)、試験 ARD の置き場所など |
choices |
表の各列のプルダウン候補 |
cell_presets / header_presets
|
表の定義で使うセル・列見出しのプリセット |
statistics / categorical_formats
|
表ビルダーの統計量と桁(d = データの小数桁数)、カテゴリの書式 |
ard_methods |
ARD の手法キーワード(呼ぶ関数、種類、既定の引数・書式) |
ard_statistics |
ARD で選べる統計量のカタログ(既定の書式、tflplanner が計算する関数) |
code_templates |
帳票プログラムに埋め込むコードのテンプレート(後述) |
listing_types |
選べる Listing の種類(現在は rtfreporter の
multiline) |
toc_map |
会社の TOC(帳票の一覧の Excel / CSV)のどの列が何か(帳票 ID・種別・タイトル・集団・脚注など)。TOC を取り込むときに自動で当てる(10 章) |
figure_settings / figure_colors /
figure_markers
|
図の会社の体裁(theme_tfl()、群の色・記号)。figure_colors
の treatment の行の順番が群の色の順番(1 行目が 1
番目の群)。白黒印刷向けに、figure_settings の
treatment_shapes / treatment_linetypes
で群ごとの点の形・線種も決められる(既定は空欄 = 使わない) |
populations / datasets
|
新規試験が最初に持つ解析対象集団とデータカタログ |
default_<シート> |
新規試験の「試験共通の既定」(ヘッダー・フッターなど)。{STUDY_ID}
は試験 ID に置き換わる |
会社の 独自の ARD 関数(cards / cardx
に無い解析)は、ブックではなく、ホームの
standards/ard_functions/ に R ファイルとして置きます(4.6
節)。
2.3 サンプル試験
sample = TRUE を付けると、試験フォルダにサンプル試験
SAMPLE-01 をコピーし、 ARD
と帳票まで作成します(正式実行を 1 回行い、1 分ほどかかります)。
まずはこの試験で各画面を触ってみるのがおすすめです。
| 帳票 | 種類 | 内容 |
|---|---|---|
| T-14-1-1 | Table | 人口統計学的特性 |
| T-14-1-1S | Table | 同じ表を、ARD は ard_stack の 1 回の呼び出しで(4.2 節) |
| T-14-1-2 | Table | 被験者の内訳 |
| T-14-2-1 | Table | 収縮期血圧の Week 24(サイクル 9 の Day 1)のベースラインからの変化(SE、平均の 95% 信頼区間) |
| T-14-3-1 | Table | SOC / PT 別の有害事象(TEAE) |
| T-14-2-2 | Table | 初めての皮膚の有害事象までの時間(Kaplan-Meier 推定値) |
| L-16-2-7 | Listing | 重度の有害事象 |
| F-14-2-1 | 図(R プログラム) | 収縮期血圧のベースラインからの平均変化量の推移(内容の手順が ggplot2 のコード) |
| F-14-2-2 | 図(R プログラム) | 初めての皮膚の有害事象までの時間の KM 曲線(内容の手順が ggplot2 のコード。リスク数は T-14-2-2 の ARD から) |
データは tflspec の腫瘍領域サンプル試験 XYZ-ONC-01(シミュレーション。Drug X 対 Control)の ADaM(ADSL、ADAE、ADVS、ADTTE)です。 2 つの図は内容の手順を R プログラムにした図(11 章)で、ggplot2 のコードがそのまま見られます。 プロットデザイナーで図を作るときは、図(Figure)の帳票を足して始めます(7 章)。 表は 1 つの試験 ARD から、Listing と図は ADaM から作られます。
後から追加する場合は、create_sample_study()
を実行するか、
アプリの試験タブの「設定」にある「サンプル試験を追加」を押します。
自分の試験 ID で練習用にコピーしたいときは、試験タブの「新規試験」で
「サンプル試験をコピー」を選びます(create_sample_study(study_id = "MY-01")
と同じ)。
サンプル試験には、ARD の作成から帳票までのすべての定義が入っています。
| どこで | 何を見るか |
|---|---|
| ARD タブ | 帳票ごとの解析の見取り図と、analyses /
datasets / populations:表 5 本分の ARD
の定義。コードのパネルに生成される ARD プログラム |
| 帳票タブ > 帳票の一覧 | 帳票の一覧 |
| 帳票タブ > 内容 | 選んだ帳票の中身: 表は表ビルダーと表の定義(列・行・セル・列見出し)、Listing は行の定義と列、図はプロットデザイナー。上の「GUI |
| 帳票タブ > ページ | ページ・ヘッダー・タイトル・脚注と、1 ページ目の見本 |
| 帳票タブ > コード | 表・Listing の「手直し」(T-14-2-2、T-14-3-1)、帳票プログラム |
試験フォルダの spec/
|
上の定義の
Excel:table_spec.xlsx、report_spec.xlsx、listing_figure_spec.xlsx、ard_spec.xlsx(ARD
定義を書き出した参照用。正はアプリ側) |
試験フォルダの programs/ と runs/
|
生成されたプログラムと、正式実行の実行フォルダ(ログ・結果・コード) |
2.4 起動
ふだんはショートカット(1.2)から起動します。R から起動するときは次のとおりです。
tflplanner::launch_app() # 別の R プロセスで起動(コンソールは空いたまま。RStudio のアドイン「Launch tflplanner」も同じ)
tflplanner::run_app() # この R で起動(最後に開いた試験から)
tflplanner::run_app("ABC-101") # 試験を指定して3. 試験を作る
試験タブの「新規試験」で作成します。一覧は 1 行 1 試験で、 クリックすると右に内容を表示し、ダブルクリックで開きます。
ABC-101/
study.yml 試験の情報
ABC-101.Rproj 開くと作業ディレクトリが試験フォルダになる
data/adam/ data/sdtm/ data/other/ 入力データ
input/ard/ 他で作って取り込んだ ARD(読み取り専用)と imports.csv(4.5 節)
input/toc/ 取り込んだ TOC の写しと記録(10 章)
spec/ 表・レポートの定義ブック、ARD 定義のコピー(ard_definition.json)
programs/ batch.R、autoexec_all.R(正式実行)
programs/ard/ ARD プログラム(帳票ごと)、ard_setup.R、autoexec_ard.R
programs/ard/functions/ 試験で使う独自の ARD 関数(4.6 節)
programs/tfl/ 帳票プログラム、autoexec_report.R
output/ard/ 作業用の試験 ARD(ard.rds)
output/tfl/ 作業用の RTF
runs/ 正式実行の実行フォルダ
プログラムはすべて試験フォルダを作業ディレクトリとして動き、ファイルを相対パスで参照するため、 フォルダごと移動・コピーしても動きます。
3.1 定義ファイルを外で直す
試験の正(もと)は、試験フォルダの
spec/(表・レポートの定義ブック、ard_definition.json、
Listing と図の定義、spec/figures/ の図の設計)と
study.yml です。tflplanner のホームにある保存状態は、
その写しと、ファイルごとの指紋(中身から計算した値)です。
おすすめの流れ:書き出す → 写しを直す → 取り込む
- 試験タブの「ファイル」の 定義ファイルを書き出す
で、
spec/とstudy.ymlの写しを zip で受け取ります。 ARD の定義は Excel のワークブック(ard_spec.xlsx)になっています。 - 写しを Excel などで直します。ファイル名は変えてかまいません(中身で見分けます)。
-
定義ファイルを取り込む
で、直したファイル(ワークブック、
.yml、.json、または zip)を選びます。- 取り込む前に、一時フォルダで確かめます:シート・列・値・ID の確認、R
のコードが入るセル
(条件、作る列、
args、post、コード、図の設計のコード)がすべて R として読めるか、 ARD の定義と図の設計の確認、触れる帳票のプログラムを書いて R として読めるか。 - エラーがあれば、ファイル・シート・行・列・問題を一覧にして、何も変えません。警告は見せるだけで、取り込めます。
- 問題がなければ、違う部分(シート・帳票の一覧・図など)を並べるので、取り込む部分を選びます。
- 取り込む前に、今のファイルを
spec/.backup/<日付>-<時刻>/に残してから、試験を保存します。
- 取り込む前に、一時フォルダで確かめます:シート・列・値・ID の確認、R
のコードが入るセル
(条件、作る列、
spec/ は直接直さないでください。
直した場合も、アプリは黙って取り込まず、確認します。
- 試験を開いたとき、
spec/やstudy.ymlがアプリの保存状態と違っていれば、取り込みと同じ確認画面 (「定義ファイルがアプリの外で変更されています」)が出ます。違う部分を並べるので、取り込む部分を選びます。 選ばなかった部分は試験のままで、そのとき今のファイルはspec/.backup/に残ります。 試験はそのままにする を選ぶと、何も取り込みません(変わったファイルもspec/.backup/に残ります)。 - 開いている間に直した場合は、保存しようとしたときに「定義ファイルが変わりました」と出ます (外で変わったファイルを黙って上書きしません)。定義ファイルから読み込む を選ぶと、 未保存の変更は残り、部分ごとに合わせて取り込みます。同じ部分を両方で変えていたときは、どちらを残すかを聞きます。 最後の保存内容でファイルを書き戻す を選ぶこともできます。
- 読めないとき(シート名の誤り、R
として読めないセルなど)は、最後に保存した状態で開き、問題を一覧にします。
直して読み込み直すか、最後の保存内容でファイルを書き戻す
を選ぶまで、保存はできません。 書き戻すときは、置き換えるファイルを
spec/.rejected/に残します。
間違えたときは「バックアップから戻す」:取り込みのたびに、その前のファイルが
spec/.backup/ に残ります。 試験タブの「ファイル」の
バックアップから戻す …
で日時を選ぶと、何が変わるかを見せてから戻します (今の状態も先に
spec/.backup/ に残すので、戻しすぎても取り消せます)。
「定義ファイルを取り込む」は、この試験の定義(spec/
と study.yml)を取り込む機能で、
会社標準の設定とは別です。
R からは
export_spec_files()、preview_spec_import()、import_spec_files()、
spec_status()、reload_from_spec()、write_spec()
で同じことができます。
データ タブで ADaM / SDTM のファイルを取り込み、ARD
タブの datasets シートで
データカタログ(データセット名・区分・パス)を定義します。 Listing
と図もこのカタログからデータを読みます。
4. ARD を作る
ARD タブで、帳票ごとの解析を 1
行ずつ定義します(analyses シート)。 1 行 = cards / cardx
の関数の 1 回の呼び出しです(変数は 1 行に複数書けます)。 ARD
タブを開くと、サイドバーで選んだ帳票の解析が 見取り図
に並びます
(どの解析が、どのデータ・集団・群で、どの変数を計算するか)。行を押すと下のフォームで編集でき、
シートそのものは「詳細(シート)」に畳まれています。
| 列 | 内容 |
|---|---|
output_id / analysis_id
|
どの帳票の、どの解析か(ARD の列にも入る) |
method |
手法キーワード(continuous, categorical, hierarchical, mean_ci,
ttest など)か、任意の
pkg::関数(cards::ard_summary など、cards /
cardx の関数を一覧から選べる) |
parent |
まとめて実行する親の解析(4.2 節)。空欄なら単独の解析 |
dataset / population_id /
where
|
解析データ(解析対象集団で絞り、さらに条件を付ける) |
by / variables
|
群と解析変数(複数は | 区切り) |
statistics |
統計量(下の「解析」フォームで選べる) |
formats |
統計量ごとの書式(mean=xx.x | p=xx.x% | AGE:sd=xx.xx | p.value=pvalue) |
args / code
|
追加の引数、custom 手法のコード |
post |
ARD を作った後の処理(add_calculated_row()
で計算した行を足す、filter_ard_hierarchical() で 5%
以上だけ残す など) |
解析対象集団(SPEC の populations
シート・population_id、英語の画面では Population)は、 ICH
E9 と CDISC ARS でいう analysis set のことです。CDISC ARS に書き出すと、
集団は AnalysisSet、解析の population_id は
analysisSetId になります。
- 見取り図かグリッドの行を押すと、下の 解析 フォームにその行が出ます。計算するもの(分類ごとの 一覧から関数を選ぶ。日本語の見出しと説明つき)、データ、解析対象集団、群(列)、変数(行、関数に合う型だけ、 ラベル付き)、部分集団、統計量と書式、関数の引数(引数ごとの欄とヒント)を編集して「解析に反映」で 行に反映します。「新しい解析」で行を足せます。
- 統計量は、手法に合うものをカタログから選び、書式を指定できます。 CV、SE、幾何平均・幾何 CV とその信頼区間、対数の平均・SD、パーセンタイル、平均の信頼区間など、 cards にない統計量は tflplanner が関数をプログラムに書き込むので、データの事前加工は要りません。
- 生成される ARD の各行には、書式を適用した
stat_fmt列が付きます。 - 信頼区間や検定の手法(mean_ci など)では、statistics に書いた統計量だけを残します。
- 生成されるコードは cards
の今の関数名(
ard_summary()、ard_tabulate()、ard_tabulate_value())を 使います。対応する版は cards 0.8.0 以上・cardx 0.3.1 以上です。
保存すると、帳票ごとの ARD プログラム
programs/ard/<output_id>.R が書き出されます。
-
プレビュー:ARD タブの「プレビュー」ボタン 1
つで、保存 → その帳票の ARD プログラムを実行して 作業用の試験
ARD(
output/ard/ard.rds)の分だけ更新 → 表ビルダーや入力支援が使う変数・水準・統計量の読み取り、 までを行い、その帳票の ARD を表示します。ログは残しません。 帳票タブ(内容の表、コード)のプレビューボタンも同じ動作です(表では、ARD が未作成か古いときだけボタンが出ます)。 - 正式実行:試験 ARD 全体の正式実行は実行タブにあります(後述の「正式実行」を参照)。
Excel で一括編集したい場合は、試験タブの「定義ブックを書き出す
(Excel)」で ard_spec.xlsx を書き出し、 編集後に「Excel
の定義ブックを取り込む」で読み込みます(どちらも任意です)。
4.1 コードリスト(値の順とラベル)
コードリスト(表の定義の codelists
シート。値・ラベル・順)は帳票ごとです。
帳票のプログラムは、読む列にコードリストを当てます:プログラムの先頭に
cl_sex <- c(F = "Female", M = "Male") と書き、
データの手順の中で set_levels(SEX = cl_sex) とします。
その列はリストの順の factor になり、値はラベルになります。 このため ARD
は表に出す文字を持ち、データに無い値も 0
の行として入ります(表にも 0 の行が出ます)。
リストに無い値がデータにあると、プログラムは止まります(列と値を示します)。
コードリストは、それを当てるデータを作る場所で編集します(画面の 1 か所 = 定義の 1 か所 = プログラムの 1 か所)。
- 表:段 1-1 の解析データの「列定義」の ④
- Listing:データの「絞り込み」の下(行もリストの順に並びます)
- 図(プロットデザイナー):データの手順の最後の「コードリスト」
どこでも、その列のリストの中身(値 → ラベル)が出ます。
データにあってリストに無い値は、先に警告が出ます。[リストに加える]でその帳票のリストに加えられます(会社標準には加えません)。
[編集…]で表の形で直し、[写す…]で会社標準(標準ブックの
codelists シート。既定は CDISC の
SEX・RACE・ETHNIC・AESEV・AESER・AEREL・AEOUT・EOSSTT)や
ほかの帳票から写します。ファイルから読み込むこともできます。写した行はその帳票のもので、元とはつながりません。
解析ごとの絞り込み(1-2
の「この解析だけの絞り込み」)は、コードリストを当てた後のデータを読みます。
コードリストのある列はラベルで書きます(例
SEX == "Female")。 変数の見出しは、表の定義の
variables シートの label です。 ある表でだけ 0
の行を出したくないときは、variables シートの
empty_levels を hide にします。
コードリストを変えると、それを使う帳票の ARD は「古い」になります。
4.2 まとめて実行(ard_stack)
人口統計の表のように、同じデータ・集団・条件・群の解析が並ぶときは、1
つにまとめられます。
解析のフォームの「ほかの解析とまとめる…」で、まとめられる解析を選ぶと、親の行(既定の
ID は STACK、 method は
cards::ard_stack)ができ、選んだ行がその中に入ります(parent
列)。 生成されるコードは手で書くのと同じ 1 回の呼び出しです。
ard <- cards::ard_stack(pop_saf,
.by = TRT01A,
cards::ard_summary(variables = AGE, ...),
cards::ard_tabulate(variables = c(AGEGR1, SEX, RACE), ...),
.total_n = TRUE)- 親のフォームで、データ・集団・条件・群と、足すもの(群ごとの人数=列見出しの N、全体の人数、 全体の列、欠測の件数、変数のラベル)を決めます。
- 中の解析は、見取り図の ↑↓ で順を変えられます(ARD の順、並び順を持たない表の行の順になります)。
- この解析だけ条件や群を変えるときは「STACK から外す」、全部戻すときは「まとまりをほどく」。 ほどくとき、臨床の現場で big N と呼ばれる、群ごとの例数(GROUPN)と全体の N の行を作って残せます(列見出しの N に要ります)。
- ard_stack は群が欠測の行を数えません。群が空の被験者がいるデータでは、1 つずつの解析と数が変わります。
- 「データから表を始める」(5 章)は、群に欠測が無ければ、この形で作ります。
- サンプル試験の T-14-1-1S が例です。T-14-1-1 と同じ表を、STACK の中に連続量(CONT)とカテゴリ(CAT)の解析を入れた 1 つの解析で作ります。列見出しの N と全体の N も STACK が作るので、T-14-1-1 の GROUPN・TOTAL の行はありません。ARD のタブで 2 つを見比べてください。
4.3 後処理(post)
post 列には、ARD を作った後に ARD
のまま行う処理を書きます。 生成されるコードは
ard_*(...) |> add_calculated_row(...) の形です。
差や比などを計算した行を足す、発現率 5% 以上の行だけ残す、などに使います
(CDISC ARS には置き場が無いので、ARS
の書き出しでは「載らないもの」に出ます)。
4.4 警告とエラー
cards は、1 つの解析が失敗しても止まりません(3 群のデータに 2
群の検定、など)。 その解析の統計量は ARD に入らず、文が ARD の
warning / error 列に残ります。
見取り図では、その解析の行に印が付きます。 試験全体の分は、ARD
タブの「試験
ARD」に一覧が出ます(エラーが先、「エラーだけ」で絞れる。行をクリックするとその解析が開く)。
R では tflspec::tfl_ard_conditions(ard)、試験全体は
study_ard_conditions() で一覧にできます。
4.5 他で作った ARD を取り込む
CRO や別のプログラムで作った ARD を、試験の input/ard/
に取り込んで帳票に使えます。 ARD タブの右の「取り込んだ ARD」で「ARD
を取り込む…」を押し、ファイル(rds、JSON、YAML、XPT、CSV)を選びます。
- 取り込むと形と、その帳票の表が読む変数・統計量があるかを検査し、結果を記録します(
input/ard/imports.csv)。 - 「ARD を作る」「作り直し」「プレビュー」は
output/ard/にだけ書くので、取り込んだ ARD は上書きされません。 - 帳票ごとに、自分の ARD 定義から作るか、取り込んだ ARD
を使うかを選びます(Report の
ard_source)。 - 自作の ARD と取り込んだ ARD
を照合できます(
cards::compare_ard())。置き換え・外すも記録に残ります。
R では
import_ard()、use_imported_ard()、compare_imported_ard()、ard_imports()
です。
4.6 独自の ARD 関数
cards / cardx に無い解析は、自分の ard_*()
関数を書いて、解析の method に名前を書けます。
- 会社で使い回す関数は、ホームの
standards/ard_functions/に R ファイルで置きます。 試験で使うと、試験のprograms/ard/functions/に写しが入り(試験フォルダだけで動くように)、 ARD 定義のsourceに足されます(use_company_ard_function())。 - 作り始めは
tflspec::tfl_ard_function_template()のひな型が便利です(統計量を足す/検定を包む/ 群ごとの自由な計算、の 3 種類。テストのひな型も書けます)。ファイル先頭の roxygen の 1 行目が見出し、 次の段落が説明になります。 - 関数は使う前に試します(
check_company_ard_function()/tflspec::tfl_check_ard_function())。 cards の ARD の形か、宣言した統計量(cards::as_cards_fn(stat_names = ))を出すかを確かめます。 - 関数のファイルの中身は ARD の fingerprint に入るので、関数を直すと、使っている帳票の ARD は「古い」になります。
5. 表(Table)を作る
最初の表は、帳票タブの「追加」で Table を選び、「データから表を始める」をオンにすると、 データ・解析対象集団・群・変数を選ぶだけで作れます。ARD の定義(データカタログ、解析対象集団、解析)と 表の定義(列・行・変数のラベルと順・統計量)が会社標準の見た目で書かれ、ARD をプレビューして表ビルダーが開きます。 データタブで置いたファイルは、データカタログに自動で入ります。
表の帳票プログラムの冒頭には、カンパニー標準のコードテンプレートが埋め込まれます。
# this report's rows of the study ARD (made by programs/ard/T-14-1-1.R)
ard <- readRDS("output/ard/ard.rds")
ard <- subset(ard, output_id == "T-14-1-1",
select = -c(output_id, analysis_id, population_id))
if (!nrow(ard)) stop("The study ARD has no rows for T-14-1-1: run programs/ard/T-14-1-1.R first.")
data <- normalize_ard(ard)(上の 4 行が code_templates の
table_data、最後の 1 行が table_process
です。)
加工が必要な場合は、帳票タブのコードの「2. normalize と加工」に
mutate
などを書きます(書いた内容がテンプレートの代わりになります)。
テンプレートは code_templates シートで会社ごとに変えられ、
{OUTPUT_ID}、{ARD}、{ARD_PROGRAM}、{PROGRAM}、{STUDY_ID}
が埋め込まれます。
表のレイアウトは次のどちらかで定義します。
- 表ビルダー(試作):群の順序、変数と統計量、書式を画面で選び、プレビューを見ながら作成
- 表の定義:tflspec の表の定義(Table Spec)の各シート(tables / variables / codelists / cells / layout / columns / style / col_header)をグリッドで編集。 ARD から変数・水準・統計量を読み取り、入力を支援します
列見出しの N は解析対象集団の N です(ARD の群ごとの人数を読みます)。
6. Listing を作る
帳票タブの内容で、Listing の帳票に次を指定します(「追加」で「データから一覧表を始める」を選ぶと、データと列から始められます)。
- 種類(
multiline)、データセット(SDTM / ADaM のカタログから)、条件、並び順(-で降順)、1 ページの行数 - 列:重ねる変数(
|区切り)、見出し(\nで改行)、幅、同じ値を 1 回だけ表示するか
「Listing をプレビュー」で、実データで最初のページを確認できます。
7. Figure を作る
図は プロットデザイナー で作ります。テンプレート(KM 曲線、平均値の推移など)から始めるか、 空から部品(データ加工・統計量・図全体の設定・レイヤー)を足して組み立てます。 画面の操作、R や YAML での書き方は 図の作り方(日本語) を見てください。
ggplot2 を自分で書きたい図は、内容の手順を R プログラムにします(11 章)。
8. レポートの体裁
帳票タブのページで、ページ・ヘッダー・フッター・タイトル・脚注を定義します。右に 1 ページ目の見本が出ます。 「試験共通の既定」(output_id 空欄の行)は、自分の行を持たないすべての帳票に使われます。
9. 実行:プレビューと正式実行
| プレビュー | 正式実行 | |
|---|---|---|
| 実行方法 | アプリの各プレビューボタン、RStudio でプログラムを直接実行 |
autoexec_ard.R / autoexec_report.R /
autoexec_all.R、アプリの「正式実行を開始」 |
| 結果 | 作業用の output/ を更新 |
作業用の output/ を更新し、実行フォルダにも格納 |
| ログ | 残さない | logrx で各プログラムのログを残す |
帳票は「帳票一覧」タブの並びの順に作られます。新しく足した帳票は、ID の順の位置に入ります(ID の中の数を数として並べ、T-14-1-2 は T-14-1-1 の後・T-14-1-10 の前、T-14-0-1 は F-14-2-1 の前。同じなら文字の順)。一覧全体は「ID 順に並べる」で並べ替えられ、↑ ↓ で 1 つずつ動かせます(TOC から取り込んだ帳票は TOC の順のまま)。
実行タブの帳票の一覧は、帳票ごとに「作成済み/古い/エラー」を出します。 「古い」は、その帳票のプログラム(またはプログラムが読み込むファイル)が RTF より新しいときです。 ある帳票の定義だけを直して保存したときは、その帳票だけが「古い」になります。
正式実行は実行フォルダ
runs/<日付>_<時刻>_<ard|report|all>/
を作ります。
帳票セットは、正式実行が名前で選べる帳票の組です(Topline、Interim Analysis、Final など)。 実行タブの「帳票セット」で、一覧の帳票にチェックを付けて名前を付けて保存します(絞り込み欄で ID や説明を絞って 「表示中をチェック」とすると、まとめて付けられます)。名前の変更・削除もそこで行います。 どの帳票がどのセットに入っているかは、帳票一覧の「帳票セット」列に出ます(ここでは読むだけで、直すのは実行タブです)。 セットを選んで正式実行すると、その帳票だけを実行し、実行フォルダの名前にセット名が付きます。 「正式実行」はそれを実行すること、「帳票セット」はどの帳票を実行するかの選択で、別のものです。
runs/20260927_143000_all/
batch.txt 実行者、マシン、日時、R のバージョン、結果
run.csv プログラムごとの状態、エラー・警告数、時間、md5
logs/ard/*.log logrx のログ
logs/tfl/*.log
output/ard/ 試験 ARD(ard.rds、ard_status.csv)、表のデータ
output/tfl/ RTF
code/ 実行したプログラムと定義ブック(--no-code で省略)
# コマンドラインから(試験フォルダで)
# Rscript programs/autoexec_all.R ARD、続いて帳票
# Rscript programs/ard/autoexec_ard.R ARD だけ
# Rscript programs/tfl/autoexec_report.R 帳票だけ
# Rscript programs/autoexec_all.R --no-code コードを含めない
# Rscript programs/tfl/autoexec_report.R T-14-1-1.R 指定したものだけ
# R から
s <- open_study("ABC-101")
run_batch(s, c("ard", "tfl"), code = TRUE)
list_batches(s)logrx がインストールされていない環境では、R CMD BATCH のログに切り替わります。
10. TOC から帳票の一覧を作る
会社の TOC(帳票の一覧の Excel / CSV。帳票 ID・種別・タイトル・集団・脚注など)を取り込むと、 帳票の一覧とタイトル・脚注が一度にできます。帳票タブの「帳票の一覧」の「TOC を取り込む…」を押し、 ファイル(xlsx・xls・csv)を選びます。
-
列の対応づけ:会社標準の
toc_mapで、TOC の見出しから「帳票 ID」「種別」「タイトル」などの列を自動で当てます。 直せます。「この対応づけを会社標準に覚える」で次の試験からも当たります。 - 何が変わるか:取り込む前に、帳票ごとに「新しい/変更あり/変更なし/TOC に無い」と、変わる行を見せます。 ID から推測した種別には印が付き、新しい帳票の種別は直せます。
-
取り込む:その場で保存し、TOC の写しと記録を
input/toc/に残します。
節(見出し):TOC の見出しの行(ID が無く、文字が 1 つだけの行。例「14.1 Demographics」)は、その下の帳票の節になります。 節の列(「Section」「Heading」など)があれば、そちらを使います。 節は帳票の一覧の「節」の列に入り、「帳票の作成」の左の一覧は節ごとにまとまります。節の無い帳票は、ID の数字(T-14-1-1 → 14.1)でまとめます。 節は、帳票の追加のダイアログや、段 2 の「データ準備コード」のタブで直せます。ここで付けた節は、取り込み直しても変わりません。
取り込み直し(TOC が改訂されたとき)は、TOC にある項目だけを更新します。
- 表の中身・ARD・ページの設定・ここで足した行には触りません。
- ここで手で直した行を TOC も変えていたときは、行ごとに「TOC の文にする」を選べます(既定は今の文のまま)。
- 既にある帳票の種別は変えません(違えば知らせるだけ。ID から推測した種別は違いに数えません)。
- 見出しが帳票のタイトル・集団を印字する試験(
{OUTPUT_TITLE}など)では、TOC の変わったタイトルも「変更あり」に出ます。 - TOC から消えた帳票は消さずに残し、そう知らせます。消すのは利用者です。
試しに取り込む TOC:見本の試験(SAMPLE-01)から作った TOC が 2 つ、パッケージに入っています。
system.file("extdata", "SAMPLE-01_TOC.xlsx", package = "tflplanner")
system.file("extdata", "SAMPLE-01_TOC_changed.xlsx", package = "tflplanner")1 つ目は見本の 17 帳票(見出しは 2 行目、節の見出し行、Shell Number・Phase・Topline・Title1〜3・Population・Footnote1〜2、帳票ごとのシェルのシート)。 見本の試験に取り込むと、各帳票に節が付き(Topline の帳票セットも)、もう一度取り込むと「変更なし」です。 2 つ目は 2 行を変えたもの(T-14-1-2 のタイトル、T-14-2-1 の脚注)で、1 つ目の後に取り込むと、その 2 帳票が「変更あり」になります。
試験を「別の試験をコピー」で作ると、TOC
の読み方(input/toc/profile.yml:ルールセット・ID
の作り方・シート)も写ります。取り込んだ TOC
とその記録は写りません。
11. 自分の R の手順
帳票の データ と 内容
の手順は、それぞれ画面(GUI)で定義するか、自分の R
プログラムにするかを選べます。 手順の上の GUI | R
プログラム で R
プログラムにすると、その手順は定義の代わりにコードで作られます (定義の
report シートの data_code /
content_code。コードが空でなければその手順はコードです)。
ページと出力の手順は、いつも帳票の設定から作られます(タイトル・脚注・ヘッダー・ページ)。
- データの手順の R プログラムは
data(図はdf)を残します。表はardだけを残してもよく、正規化はプログラムが行います。 - 内容の手順の R プログラムは
contentを残します(表の plan、data.frame、rtftable のページ、ggplot か rtfplot、またはそれらのリスト)。 図の ggplot は、ページで決めた大きさで描かれます(3 ページと出力の「図の大きさ」)。 - 「試しに実行」は、保存せずに別の R プロセスで帳票の手前までを動かし、最初の表のページと最初の図を見せます。 エラーがあれば、どの手順のコードの何行目かを示します。
content <- list(
head(adsl[, c("USUBJID", "AGE")], 20),
ggplot2::ggplot(adsl, ggplot2::aes(AGE)) + ggplot2::geom_histogram(bins = 10)
)決まり(スイッチの横の「決まり」でも見られます)
- 読むデータセットを登録します(データの手順のコードの上)。プログラムが最初に小文字の名前(
adsl、advs)で読みます。コードの中でファイルを読みません(readRDS()、read_xpt()など)。 - ARD は帳票の設定で読みます: 表は ARD 定義か取り込んだ ARD、図は ARD
の元(手順 1)。この帳票の ARD の行が
ardです。コードの中でard.rdsを読みません。 - 各手順は次の手順が読むもの(
data/df、content)を残します。 - 定義の中のコード(表や Listing の手直し、図の code 段やコードの層)はそのまま使えます。R プログラムは手順全体を自分のコードにします。
-
library()は使いません。試験の setup がパッケージを読み込みます(図は ggplot2・patchwork・dplyr とデザインが使うもの)。ほかはpkg::fn()で呼びます。 - 副作用はなし:
ファイルを書かず、セッションも変えません(
setwd()、options())。帳票を書くのはプログラムです。 - 帳票ひとつで完結します。ほかの帳票の出力を読みません。ほかの帳票の ARD は ARD の元で選びます(サンプルの F-14-2-2 は T-14-2-2 の ARD)。
コードは書いている間(コードの下)とレビューで確かめます(ルール
U01〜U05:R として読めない、登録していないデータセット、
次の手順に残すものがない、ファイルを読む・パッケージを読み込む、帳票が読まない
ard)。
以前の版の「ユーザーコード」の帳票(第 4 の型)は、試験を開くと移ります。ID の頭文字で表・Listing・図になり (F… は図、L… は Listing、それ以外は表)、コードは内容の手順の R プログラムに、読むデータは登録に、 「この帳票の ARD を使う」は ARD の元になります。ファイルは次に保存したときにこの形で書かれます。 図の帳票に ggplot2 を手で書いていた試験も同じく、内容の手順の R プログラムになります(RTF は同じです)。
解析の中の 1 回きりのコードは ARD の
custom、名前を付けて使い回す解析は独自の ARD 関数(4.6
節)、 手順をまるごと書くなら R プログラム、と使い分けます。
11.1 生成されたプログラムは直さない
ARD
プログラムと帳票プログラムは、定義(SPEC)から生成されます。生成されたプログラムを直接は直しません。
コードで書きたい所は、定義の中に書きます:手直しのコード、手順の R
プログラム、ARD の
custom・args・post、
解析データ・解析対象集団の where/derive
など。こうして書いたコードは、プログラムの決まった位置に入ります。
保存はいつも定義からプログラムを書き直します。手で修正されたプログラム(バナーのチェックサムが合わないもの)が
あれば、上書きの前にその版を
programs/.edited/(場所と日時の名前、例
tfl_T-14-1-1_20261006-153000.R)に残し、
保存の通知で知らせます。直したかった点は、その控えを見ながら定義に移してください。
生成されたコードをひな型として使いたいときは、別の場所(試験フォルダの外など)にコピーして、そこで直します。 それはツールの外の作業です。
12. 多人数での作業
- 保存は部分ごとの 3 方向マージです。その間に他の人が保存した別の部分の変更は取り込まれ、 同じ部分を 2 人が変えた場合だけ競合として知らせます。
- 試験 ARD の状態(作成済み・定義変更あり・未作成・エラー)は ARD タブの「試験 ARD」で確認できます。
- 保存はいつも定義からプログラムを書き直します。手で修正されたプログラムは
programs/.edited/に控えを残してから書き直します(11.1 節)。
13. 定義をレビューする
「レビュー」タブは、試験の定義全体を見て、次の 3 段階で項目を挙げます。
| 段階 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| エラー | このままでは使えない(プログラムが止まる・読めない) | 解析が読む列がデータにない、コードリストにないデータの値、データセットのファイルがない |
| 要確認 | 使えるが、たぶん間違い | コードリストの値がデータに一度も出てこない、群の変数を同時に解析している |
| 手で設定 | 必要なものがなく、推測もしない | タイトルがない、解析対象集団がない、図の必須項目が空欄 |
- いつ見直されるか:試験を開いたとき、編集が止まって 2 秒後、保存したあと。ファイルは読みません(前回データを読んだときに覚えた、列の型・値・人数を使います)。
- データも使って見直す:データセットを読み、列の型・値・解析対象集団の人数などを覚えておきます。データと照らし合わせたチェック(解析が読む列がデータにあるか、コードリストの値が出てくるか など)はこれで行われます。2 回目からは、ファイルか定義が変わったデータセットだけを読み直します。
- プログラムが読むとおりに確認:定義をプログラムと同じ方法で読み直します(帳票ごとに 1 回読むので時間がかかります)。以前の実行タブの「定義の確認」です。
- 項目をクリックすると、その帳票・その画面に移り、該当する表の行が黄色く光ります。
- 帳票の見出しと、左の帳票一覧(各帳票の右の「エラー / 要確認 / 手で設定」の数)にも件数が出ます。見出しの件数をクリックすると、その帳票のその段階の項目だけを表示します。
- 図の助言のうち、1 か所の変更で直るものには「適用」ボタンがあります。
- 会社標準の settings シートの
review_offにA12 | C02のようにルール ID を書くと、そのルールを全試験で止められます(止めているルールはタブに表示されます)。ルールの一覧はtflspec::tfl_review_rules()です。
R からは study_review(study)
で同じものが得られます(data = "read"
でデータも使って見直す、deep = TRUE
でプログラムが読むとおりの確認)。
前の版から上げるとき
- tflplanner と tflspec を両方まとめて更新します(この tflplanner は tflspec 0.0.24.9079 以降が必要です)。
- 試験を 1 つずつ開いて保存します。プログラムと
programs/study_helpers.Rが書き直されます(手で直したプログラムは先にprograms/.edited/へ写されます)。 - レビュータブを見ます。
-
set_levels()などの 6 つの関数(tag_ard()、fmt_ard()、keep_stats()、fmt_pvalue()、save_ard())は tflspec から外れ、試験のprograms/study_helpers.Rに入りました。tflspec::を付けて呼んでいたり、library(tflspec)のあとstudy_helpers.Rを読まずに呼んでいたりするプログラムは、レビューに P02 として出ます。保存し直すか、programs/study_helpers.Rをsource()してください。 - 図の YAML は前の形のまま読めます。保存すると新しい形で書かれます。
- 図のプログラムの形が変わります(データとプロットの 2 つの部分)。描かれる図は同じです。